下田 ‐ 建築史研究室

筑波大学 世界遺産専攻 下田一太研究室のブログです

建築遺産演習 in ミャンマー(その6)

〈7月27日〉

パガン2日目。昨日の夕方に写真記録を行ったYwa-Haunggyi-Hpaya寺院にて午前中は図面作成の実習を行った。
3つの班,平面図作成組,室内断面図(展開図)作成組,そして立面図作成組に分かれての作業。

煉瓦造の建物をじっくりと観察する機会,そしてそれを図化する作業は初めての学生ばかりで,実際に書いてみると様々な部分に装飾が施されていることに気づかされる。一見して分かったつもりであったた建物を記録することによって,こんなにも新しいことが発見されるとは!

平面図は遺構が南北で線対称であることを前提として,南半分のみをとることとした。室内は壁体が平滑だから良いが,外面はモールディング装飾で飾られ,どの線を図面としてとればよいのか,最初は戸惑う。原則としては付柱のあるレベルでとるものだが,時間が限定された作業であったため,今回は足元の張り出し部で採寸を行い,付柱のレベルはスケッチをするにとどめる。

室内断面図は主に拝殿と主室を対象とし,壁画の構成や劣化状態についても記録を行った。壁体のフレスコ画はかなり傷んでおり,壁画層が剥がれている部分が多い。下からの目視で北面全体の劣化マッピングを行った。

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立面図は直射日光のもと,最も過酷な作業であった。前日に記録した写真から,当日の朝,写真測量のソフトで立面図を起こしておき,そこに現場で細部の装飾や壁体の確実な線をトレースする作業を行う。写真測量の画像がオルソではなくパースであることが作業を困難にする。半日では時間が十分ではなかったが,全体の形状をおさえる作業までは終えることができた。
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正午過ぎに4時間ほどの作業を終え,全員で作業の結果を報告し合って終了となった。

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午後は博物館を見学し,その後さらにアーナンダ寺院を昨日も案内していただいたKo Ko Aung氏からの説明のもと見学した。現在,インド考古局による壁画の修復作業(白ペイントの除去作業)が進められており,その方針や方法について説明を受ける。

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その後,オールドパガン北西端に位置するブー・パヤー寺院前からボートに乗ってエイヤワディー川からバガン遺跡を眺める。悠々とながれる大河に時間がゆったりと過ぎていくのを楽しみつつ。川の浸食によって危険な状態にさらされている遺構も少なくない。

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さらにニューパガンの西端に位置するローカナンダ寺院に向かい,エイヤワディー川に日が落ちるのを眺める。ちょうど近くでお祭りがはじまるようで,停電を繰り返す中,準備の作業が進められていた。

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