下田 ‐ 建築史研究室

筑波大学 世界遺産専攻 下田一太研究室のブログです

ベン・トムでのコアリング調査

3月16日から24日にかけて、アンコール遺跡では地質学的コアリング調査,サンボー・プレイ・クック遺跡群では考古学的発掘調査を行いました。

はじめの2日間で、コアリング調査を行いました。
水の底で長い時間をかけて堆積した堆積物の中には、古代の植生や動植物相を示す試料、たとえば花粉・プラントオパール・昆虫・微生物などの痕跡が多く残されています。また堆積物を用いた科学的年代分析の結果は、都市の利用年代の解明の手掛かりとなります。このような科学的分析は、古代の都市構造や人々の生活の様子を理解するうえで不可欠です。

今回の地質学的コアリング調査は都城アンコール・トムの南西隅に位置するBeng Thom貯水池(約200m×300m)の堆積物を対象に、大阪市立大学の原口強先生の指揮のもと行われました。

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発泡スチロールと金属のパイプで組んだいかだを池に浮かべて、その上で作業を行いました。人力で筒状のコアサンプラーを池の底に打ち込んだ後、回転させてから滑車を使って引き抜きくという方法をとりましたが、調査時は池の水深が90㎝ほどあり、行く手を阻む多数の水生植物や巨大なヒルと格闘しながらの調査となりました。

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採取されたコアは事務所でサブサンプリングを行い,日本に持ち帰られて科学分析にかけられています。
今回は、今まで調査がなされなかった池の深い部分の試料を新たに採取できたことが大きな成果となりました。今後、アンコール・トム内の他地点での花粉分析等との比較研究が行われ、アンコールの古環境復原研究に大いに役立つことが期待されます。

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(報告:菅澤 由希 M2)

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