下田 ‐ 建築史研究室

筑波大学 世界遺産専攻 下田一太研究室のブログです

中国洛陽の採石場調査

6月15日より20日にかけて,元興寺文化財研究所の佐藤亜聖団長のもと中国洛陽を中心とした石造物の加工技術に関する調査を行いました。先月訪れた百済に引き続き,洛陽はインドから中国への仏教伝来の地であり,日本の仏教起源をたどる上での要所です。また長期にわたり歴代の王朝が都を築いたこの地には多数の見所に溢れていますが,メジャーな旧跡はさておき,今回は採石と石材加工の痕跡をめぐるかなりマニアックなサイトをめぐる行程となりました。

集合写真
龍門石窟にて

西安にて紀元前にも遡る武帝陵,茂陵の石彫物の加工痕の調査を行った後,洛陽に移り,龍門石窟世界文化遺産地区管理委員会のご案内のもと,龍門石窟や複数の北宋皇帝陵における大型石彫にて石材加工の調査を行いました。

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茂陵石造物(武帝陵墓:前漢)
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龍門石窟郡の中でも未完窟の磨崖三仏(第六窟:初唐制作)
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宋真宗永定陵(北宋三代皇帝陵 997-1022年在位)
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調査のハイライトは北宋皇帝陵の石造物が切り出されたとされる石材の採石場の精査にありました。1980年代の報告書を頼りに,洛陽郊外の山地に入っての調査を敢行。初日は十分な痕跡を確認するに至りませんでしたが,翌日には同地区文物局員の案内を得て再挑戦し,報告書に記載の採石場の他,新たなサイトの発見が得られました。
肝心の採石技術についても,これまでの認識を更新すべく知見が得られ,普遍的とも考えうる採石方法にも多様な技法と地域性や時代性があることが改めて確認されることとなりました。

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充実研究成果得,但熱烈歓迎体育会的夜会甚大体力消耗
(でたらめな中国語です)

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イコモス 石と土の建造物保存

5月20日から23日にかけて,韓国の公州にてICOMOS-ISCS (International Conference on Conservation of Stone and Earthen Architectural Heritage)が開催されました。

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石と土による歴史的建造物の保存を専門とする多くの研究者が公州大学の会場にて各々の研究成果や修理事業について口頭・ポスター発表し,意見交換が行われました。
下田はアンコール遺跡バイヨン寺院の中央塔の安定化に関する問題として,中央テラスの内部構造について,過去4年間にわたる日本政府の研究事業にもとづく建築・考古・地盤工学による調査結果を報告しました。4日間にわたる会議と百済の石造物を主に対象としたエクスカーションなど,大変充実した内容でした。

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エクスカーションでは石造物の専門家が多いことにちなんだサイトが多く,宋山里古墳,公州国立博物館,瑞山磨崖三尊仏,扶余定林寺,扶余国立博物館,無量寺,他を見学して回りました。多くは百済文化の重要な痕跡として残されたもので,日本への仏教文化の伝播を考える上で重要なサイトをまとまって勉強するまたとない機会に恵まれました。

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