下田 ‐ 建築史研究室

筑波大学 世界遺産専攻 下田一太研究室のブログです

サンボー遺跡での広域発掘調査(その2)

3月にサンボー・プレイ・クック遺跡群の都城内にて発掘調査を行ったことを報告しましたが,計画していた全発掘地点を終えることができなかったため,4月末から5月初めにかけて,再び菅澤団員とともに追調査を行い,残り7箇所での発掘調査を完遂してきました!

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今回も1×2mの小トレンチを300m間隔で掘り下げていくという調査です。
カンボジアはまさに雨季へと足早に移行している最中で,調査期間中には一晩大雨にやられ,前日までに掘りあがっていたトレンチのいくつかが崩壊するという悲劇もありましたが,なんとか予定地点を全て終えました。

2回にわたる調査によって,2キロ四方の都城内の大まかな文化層の平面的な分布,そしてそれらの深度を把握することができ,都城の活性期間や生活地区についての理解が大きく進みました。また,種類豊富な土器や瓦が収集され,都城の基本資料として整理していく予定です。

発掘調査の後には,全てのトレンチのレベル測量を行いました。総距離15キロ程ですが,途中には森を何度か横断することもあり,小刻みにトラバースを繋ぎ,最終的には約150の機械点で全地点の計測を終えました。現地スタッフのリードのおかげて,森や溜池などを避けつつ最短距離で測量ルートを繋ぐことができましたが,猛暑の中での過酷な作業となりました。。。

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レベルポイント
(都城内の測線です)

前回の調査同様,トレンチの土層のサンプリングや土器の整理を現地で行い帰国した後,サンプリングした全トレンチ,全層の土の化学組成分析を早稲田大学内田研究室にて行いました。
内田教授を始め,渡辺さん他,研究室の多くの方に長時間にわたりお手伝いいただきまして,本当にありがたい限りです。

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それぞれ離れたトレンチ間における土層の連続関係を把握するために,分析結果が有意なものとなることが期待されます。
また,今後は同様の目的のために各土層の粒度分布の試験を行うことを予定しています。

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キッズ・ユニバーシティー

4月19日(土)に、第55回科学技術週間 筑波大学科学技術週間(キッズ・ユニバーシティ)の一環として下田先生が講義を行いました。
題目は「世界遺産を科学しよう!」ということで、会場には小学生1年生から中学校2年生まで、幅広い学年のお子さんたちとその保護者の方々が集まってくださり、改めて「世界遺産」の認知度の高さを感じました。
講義前半は世界遺産とは何か、クイズ等も織り交ぜながら、大学の講義さながらに話をし、参加者の小中学生だけでなく、保護者の方々も熱心に聞き入っている姿が印象的でした。

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講義後半は、世界遺産をはじめとする文化財を保存する技術のひとつとして「測量」を実際に行いました。
手足を使った「人体尺」で教室の大きさを計り、巻き尺を使って答えあわせをしました。さらにレーザー距離計を用いてより高度な科学技術を体験していただきました。

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最後に、世界遺産であるカンボジアのアンコール遺跡群の調査でも実際に使用されている三次元レーザーを用いて、教室全体と参加者みなさんを計測しました。
さらに、この三次元レーザーをヘリコプターに載せて上空から地上を計測する技術を用いることで明らかになったアンコール遺跡群の密林の中に埋もれた都市の痕跡について紹介しました。深い森の中から都市の痕跡が浮かび上がった様子に、参加者の子供たちからも驚きの声があがりました。


歴史と文化の結晶である世界遺産を守るためには、たくさんの人力と、最先端の科学技術が用いられていることが今回の体験を通じてわかっていただけたかと思います。
今回の参加者の中から、未来の研究者が生まれるのではないかとわくわくさせていただいた講義でした。

(文責:世界遺産専攻修士2年 井上美優)

キッズ・ユニバーシティーについては以下の大学サイトに紹介があります。
http://www.tsukuba.ac.jp/news/n201404211612.html

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